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果実や野菜などの植物に含まれるフェノール類(ポリフェノール)やビタミンA(β-カロテンなど)、C、Eが持つ抗酸化物質は、活性酸素(フリーラジカル)を除去し、体が酸化することを防ぐ働きがあります。
活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が変化したもの。紫外線や喫煙、ストレスなどの影響で増えるといわれています。ヒトの体内で過剰に発生した活性酸素は、細胞を酸化し損傷させ、病気や老化、肌トラブルなどを引き起こします。
もともと体には、フリーラジカルに対する防御機構が備わっていますが、その力も年齢とともに弱まります。そこで、代わりに抗酸化物質を摂取すると、活性酸素の害から体を守り、病気に罹患するリスクを低減し、老化のスピードを緩やかにすることができるのです。果物や野菜類の中でもドライプルーンが持つ抗酸化力は、群を抜いて強いといわれています。
食物繊維やビタミン、ミネラルはもちろんのこと、近年注目の抗酸化物質も含まれているプルーンは、数々の美容効果を備えた理想のヘルシーエイジングフードといえます。抗酸化物質は本来、食品中のさまざまな栄養素と一緒にとる方が高い効果をもたらす可能性があるからです。
プルーンの抗酸化物質は、活性酸素から全身の細胞を守り、若々しく健康な皮膚を維持するのを助けます。また、不溶性、水溶性両方の食物繊維が腸内環境を整えることで太りにくい体を保つ効果が期待でき、カリウムはむくみの予防や高血圧の予防にも役立ちます。生活習慣病の引き金になる脂肪とコレステロールをほとんど含まないのも、うれしいポイントです。
プルーンに多く含まれる抗酸化物質は「ネオクロロゲン酸」というもの。これは、ヒドロキシ桂皮酸ファミリーに属するフェノール類で、LDLコレステロールの酸化を阻止する強力な働きがあるといわれています。カリフォルニア大学デーヴィス校研究チームによると、これまでの報告では、プルーンがヒドロキシ桂皮酸の含有量が最も多い食品であるということがわかりました(*20)。プルーンやプルーンジュースには高い抗酸化活性があるといえます。
2010年実験生物学会議において発表された研究によると、成人女性にドライプルーンを間食として1日2回、2週間にわたって摂取させたところ、低脂肪クッキーを摂取したときと比べて、抗酸化力が有意に上昇しました(*21)。
研究責任者でサンディエゴ州立大学運動栄養科学部のマーク・カーン教授(博士、登録栄養士)は、「通常の食生活にプルーン5~6個(100キロカロリー)を加えることで、女性の抗酸化力が向上することが示唆されます。
間食にプルーンを食べるのは、抗酸化物質の摂取量を増やすのによい方法であるとともに、おいしく食べて食欲を抑えられる方法でもあるのです」と述べています。
女性の更年期は、日本では閉経の前後5年間、計10年間とされ、多くの人は40代半ばごろから更年期に入ります。
この時期は、卵巣機能が衰えてきて、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に低下。生活環境からくるストレスなども影響し、めまい、肩こり、抑うつ、やる気の低下、不眠、ホットフラッシュ(急な発汗・ほてり・のぼせなどの症状)など、心身にさまざまな不調が現れます。
更年期の症状には個人差があり、生活に支障をきたすレベルになると治療が必要とされます。更年期障害の治療法としては、女性ホルモンを少量補う「ホルモン補充療法」がしばしば用いられます。また、閉経後は、女性の健康を守っていたエストロゲンの恩恵がなくなるため、血圧やコレステロール値が上昇し、高血圧症や動脈硬化などの生活習慣病を発症しやすくなります。
食物繊維をバランス良く含むプルーンは、LDLコレステロールを減少させる効果が期待できます。
プルーンというと、消化器系の健康効果がよく知られていますが、近年は、動脈硬化予防にも役立つ食品であることが認められるようになってきました。
2008年には、イギリスの専門誌で「プルーンが動脈硬化の発症を遅らせる」という実験結果が発表されました(*22)。この試験は、通常より短期間でアテローム性動脈硬化症を発症する系統のマウスを使って5ヵ月に渡り実施。アテローム性動脈硬化症の病変領域を有意に抑制することが判明したプルーン粉末の量は、ヒトに換算するとプルーン10 ~12個/日に相当しました。試験では、動脈系全体の病変領域が抑制されることが明らかになりました。
このほか、これまでに、プルーンが動脈硬化の原因の一つであるLDLコレステロールを低下させることやプルーンに含まれる水溶性食物繊維のペクチンが動物においてコレステロールを低下させることなどが判明しています(*23)。
また、2021年に発表された閉経後の女性を対象としたランダム化比較研究の結果によると、毎日50グラム以上のプルーンを6カ月間摂取すると心臓疾患や炎症のリスク要因が減少させる可能性があることが、明らかになりました(*24)。
プルーンを日常的に摂取すると、食物繊維や、抗酸化物質として働くビタミン類、ミネラル類、フェノール類の摂取が増加します。
近年の研究において、18歳から45歳までの喫煙者及び 非喫煙者の双方で、プルーン摂取後、抗酸化能の向上に効果があることがわかりました。
喫煙者については、喫煙に関連する 酸化ストレスに対し、ある程度の保護効果を与える可能性があることが示されました(*25)。
サンディエゴ州立大学の研究者が行った研究では、プルーンの摂取が喫煙に関連する気腫の予防に効果的な役割を果たす可 能性があることがわかりました。
実験では、喫煙者がプルーンを摂取して45分後に1本のタバコを喫煙した後で、タバコを吸うと分泌される好中球エラスターゼ(肺炎症のマーカー)の血中濃度を計測。
結果は、プルーン摂取後90分後にエラスターゼの有意な減少を認めました。
この研究により、喫煙前のプルーンの摂取と肺組織炎症の兆候の減少とが関連づけられました(*26)。